ポイントが浮くとは

ポイントが浮くとは

シロハ便り 第154号 2021年11月

 

ポイントが浮くとは

 

 急に寒くなりました。 一日しか違わなくても気温差が10度もあると、体調管理はとても難しいですよね。

 

 風邪をひかないまでも、体は、だるくなります。それに伴って、頭痛や目まいなども起こりやすくなります。

 

 また、気温差が大きく、特に暑いから寒いに変化する時期は、ギックリ腰とか首の寝違えが、特に多発する時期です。

 

 気温の変化が大きいと、それに合わせて調整する自律神経への負担が増えます。

 

 プラスして、寒くなるので、体が硬くなり、自律神経の緊張も合わさって、体に不調をきたします。

 

 今の時期こそ、しっかり半身浴をしましょう。 ぬるいお湯で心臓を出して、30分ゆっくり温めると、副交感神経が強くなり緊張がほぐれます。

 

ポイントが浮くとは

 

 最近、私がよく使う言葉のフレーズとして、「ポイントが浮いてきた」と言うのを聞いた方も多いと思います。

 

 今回は、この、ポイントが浮くとは、どういうことかについて書きたいと思います。

 

 ここで使っている「ポイント」の意味は、みなさんの頸椎のズレている場所のことです。 頸椎は1番から7番まであり、それが様々な方向にズレています。

 

 そして、この頸椎のズレているポイントは、実はよく移動するのです。 初めて施術をさせて頂いた時には、ここにはポイントがなかったのに、今は、はっきりと手ごたえを感じるということは、実に頻繁にあります。

 

 元々、私の行っている施術は、上部頸椎カイロプラクティックになるので、本来ならば、頸椎の1番と2番の歪みを調整する方法なのですが、私はそこから、下部頸椎の3番から7番までを刺激して調整しています。

 

 これは、上部頸椎がズレを起こすと、頭の重心がズレて、その重さを支える下部頸椎が歪んでくるので、その歪みによるズレも調整すべきと思ったからです。

 

 上部頸椎のズレが始まりで、下部頸椎のズレは2次的、3次的に起こります。 そして、頭の重さを無理をして支えている下部頸椎のズレにより圧迫を受けた神経は、全身の至る所に痛みやしびれを引き起こします。

 

 ただし、ここでやっかいなのが、頸椎1番から7番までの7つの頸椎が、それぞれバランスを取り合って動いてしまうということです。

 

 例えば、初めに頸椎1番が右にズレたとしましょう。 すると、頭の重心は右に傾きます。 この状態の初期の頃は、頭の重さが右に寄ってしまったのを、反対側の首の筋肉で筋力によって支えます。

 

 しかし、首の筋力で支え続けるのには限界があり、しだいに下部頸椎のどこかが、頸椎1番のズレによる頭の重心のズレに対し、バランスをとるように反対側に動いて、それが神経に当たるようになります。

 

 その状態が長く続くようになると、頸椎のある特定の部分がずっと神経の同じ個所を圧迫し続け、それが危険と体が判断し、今度はズレを起こしていない他の頸椎がバランスを取るように移動して、強く神経に触っている初めにズレを起こした下部頸椎の1つを、そのズレが目立たない位置に動かしてしまいます。

 

 すると、神経への圧迫は、結果的に緩みます。 これは症状にも表れていて、五十肩によく見られる現象です。下部頸椎が神経を圧迫すると、肩に強い痛みを出したり、腕が上がらなくなったりします。

 

 しかし、他の頸椎が動いて、その神経を圧迫していた初めにズレた頸椎の位置を動かし、圧迫が緩むと、肩の症状が緩和し、時間と共に症状が一旦消えます。

 

 この現象を、私は「隠す」とか「隠れて悪さをしているポイント」と、みなさんにお伝えしています。

 

 これは、一旦、症状が消えてしまうので、みなさん、喉元過ぎれば熱さを忘れるので、やれやれ、治った!と勘違いしてしまいます。

 

 しかし、根本的な歪みとズレが正しい位置に収まっているわけではないので、ギリギリなんとか症状をださない位置でバランスがとれているだけです。

 

 そして、その状態で、また数年単位の時間が過ぎれば、今度はもっと複雑な頸椎の歪みになって、あちこちで悪さをするようになります。

 

 先ほどの例で言うと、頸椎1番が右にズレ、下部頸椎のどれか1つが左に寄って神経に当たっていた、シンプルな形の歪みだったものが、頸椎1番から7番まで、こっちが右に行ったらこっちは左、そしてそのすぐ下はまた右に・・・というように、複雑に左右にチグハグでズレていきます。 

 

 そして、さらにやっかいなのが、7つの頸椎が、ねじれて動くことです。 きれいに左右に分かれて動くのではなく、ねじれを伴って複雑に動いてしまいます。

 

 すると、顔と肩のラインと腰のラインが、全部ばらばらの方向を向いていながら、なんとか全身でバランスをとり、不安定な全身骨格の状態で立って動いている状態になります。

 

 その状態が長年続けば、それは当然として、体の様々な部分で不調となって現れます。 それなのに、腰が痛ければ腰が悪いとか、肩が痛ければ肩関節が悪いとか、膝が痛ければ膝の関節がすり減ってとか、そこしか見ない診断をいろんなところで受けることになります。

 

 それをその都度、対処療法で痛みを緩和させようとしても、治るわけではありませんし、問題はさらに根深く深刻になっていきます。

 

 この、ひっからまった骨格変化の過程を、1つ1つ、ほぐしていき、変化の過程を、そのままなぞるように遡らせていけるのが、私の行っている施術です。

 

 頸椎から始まり、全体の骨格まで、複雑に変化してきた過程を遡らせていくことで、頸椎で最初に強く神経を圧迫していた、ベーシックなズレが浮き彫りになってきます。

 

 これが、「ポイントが浮く」ということです。 そのベーシックなズレのポイントは、一番最初のズレであり、神経への影響が一番強いポイントです。

 

 そこを探り当てるためには、そのポイントを隠して当たりを軽減させていた、他の頸椎の位置を予め整えてしまうことが必要なのです。

 

 そして、本当に隠れていても、一番悪さをしていた大元のズレのポイントが出てきたら、そこを触ると痛みが出ます。

 

 施術を受け始めた当初は、頸椎を調整するのに、あまり痛みがなかったという人も、だんだんにポイントが浮いてきて、そこを触れるようになってくると、そこを調整するときに痛いと言うようになります。

 

 でも、それが出てくると、全体的な症状は、かなり緩和されてきていることが多いですので、がんばって一緒に大元のズレを探していきましょうね。

 

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