子育てと『Q アンドA』
シロハ便り第25号 2011 年2 月
茨城県にある、ポティロンの森に
行ってきました。
何度か遊びにいったのですが
高速道路が近くまで開通し
とても楽に行って来られました。
園央道の阿見東インターを降りるとすぐに
新しく出来たあみプレミアム・アウトレットがあります。
そこから10分位で行けます。
牧草地の斜面のようなドックランがあって
飛ぶように走り回ります。
写真はドックランのとなりに放されている
牛さんとご対面した時の一枚です。
いつものお散歩とは
また違った解放感があるのでしょうね。
曜日が分かるのか
いつもお休みの火曜日になると
朝からソワソワしているれもんちゃんです(^.^)
子育てと『Q アンドA』
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カウンセリングをする際に
気をつけなければならないコミュニケーション・スキル
(会話の手法)のなかで
『Q アンドA』と言うのがあります。
『Q アンドA』(Question and Answer)とは
直訳すると『質問と答え』ですが
ここでは『間違った質問の仕方』
を指す言葉として使います。
質問に対して答えることは
何ら間違ったことではないのですが
ここに、もう1つ最も重要な要素が入ります。
それは、Acknowledgement(アクノレッジメント・承認)です。
つまり、カウンセリングをするような時に
色々な質問をしますが
質問をして答えをもらい
その答えを『わかった』・『受け取ったよ』と
承認してあげることで
1つのコミュニケーションサイクルを
終了させるということが
正しいやり方なのです。
しかし、ほとんどの場合
この一番重要なアクノレッジメントが抜けてしまい
相手の出した答えに対し
その答えが自分の望む答えでなかった場合は
その答えに対して
また質問を繰り返してしまうことが多いです。
すると、相手は自分の答えが
受け取られていないものと思い
混乱します。
これでは問題の本質へ辿りつく事は不可能で
ついには感情的な言葉のやりとりになってしまうか
何もしゃべらなくなるか
精神的な抑圧をうけて感情のトーンが
落ち込むようになっていきます。
『Q(質問)アンドA(答え)アンドA(承認)』
で1つを完結しなくてはならないところを
『Q(質問)アンドA(答え)アンドQ(質問)アンドA(答え)アンドQ(質問)アンドA(答え)・・・・・』と
ドツボにはまってしまうコミュニケーションを
『Q アンドA』と言い
コミュニケーションで問題を解決しようとする時の
大きな障害と言われています。
これ・・・子供を叱る時にやっていませんか???
よ〜く、自分の胸に手を当てて、思い起こしてみてください。
(例)
(親)「お返事しなさい!」
(子)「・・・・・」
(親)「どうして、だまってるの!!」
(子)「・・・・・」
(親)「どうしていつもあんたは! お母さんを馬鹿にしているの!?」
(子)「・・・キリンさんが好きなの・・・」
(親)「そんなこときいているんじゃない!!!」
どうですか?
すっごくありがちな会話です。
これを細かく見ていくと
初めの「お返事しなさい!」は質問ではなく命令です。
これは躾として重要な命令文で
断固としてやりとおさなくてはならないことです。
その命令を無視し沈黙で答えた
その答えに対して
「どうして、だまってるの!!」という質問をした部分
これが『Q アンドA』になっていますね。
ここでは、正しい対応は
躾としての命令文を『繰り返す』です。
決して「どうして・・・?」と訊いてはダメです。
躾としての命令で
「返事」「言葉使い」「片付け」「謝罪」などをさせるときは
親の権限で断固としてやらせるべきであり
その行動を起こすまで
ただひたすら、にらみつけてでも
夜通しで朝までかかっても
ただひたすら同じ命令文を繰り返すことです。
同じ命令文を繰り返すことで
親の方は断固としてそれ以外の対応は認めないという
本気度が伝わります。
この途中で「質問」などを入れ、変化を起こしてしまうと
逆に逃げ道を与えてしまいますので
子供に、あなたがこの命令文にちゃんと応えるまで
お母さんは、ご飯も作らないし、夜も寝ないし、あんたも寝かさない
ぐらいの断固とした態度で臨んだ方がいいです。
そこで、どれだけ時間がかかっても
たとえ馬鹿にしたような態度で対応したとしても
その命令文に応えたならば
そこでは、「承認」をしてあげましょう。
「はい、いいよ」とか、「お利口さん」とか
頭を撫でたり抱きしめてあげてください。
子供も反抗期近くでは、素直になれず
また引っ込みがつかなくなったりします。
その気持ちが
馬鹿にしたような、素直じゃない態度に出ますので
理解してあげてください。
そんな態度でも、応えた時に
大げさに褒めてあげ、「承認」を与えてあげると
自然と態度が変わっていきます。
次に
(親)「どうしていつもあんたは! お母さんを馬鹿にしているの!?」
(子)「・・・キリンさんが好きなの・・・」
(親)「そんなこときいているんじゃない!!!」
の部分ですが
『QアンドA』としては、最悪なパターンの会話です。
どんな質問に対しても、たとえ意味不明な答えであっても
全ての答えには意味がありますので
必ず、「承認」してあげてください。
その答えが意味不明だった時は
例えばこの例の場合は
(子)「キリンさんが好きなの」
(親)「そう!、キリンさんが好きなの。答えてくれてありがとう。」
という対応が正しいと思います。
そして、一度「承認」を与えてから
「キリンさんが好きだったのね・・・じゃあ、今度はお返事できるかな?」
と改めて問い直すのは、有りだと思います。
ここでのポイントは
どんな答えであれ、質問に答えたという行為自体を認め
「ありがとう」とか「お利口さん」とプラスに解釈を与えて
受け入れてあげることだと思います。
この「承認」は、どんな答えに対しても
してあげてください。
一度、ちゃんと受け入れる、という行為は極めて大切です。
そして、どんな答えが返ってくるのかは
自分の都合でコントロール出来ない部分であることを
理解してください。
最悪なのは
親側が自分の用意した「答え」に導くために
「質問」をする行為です。
そこで、子供が、親側の用意した「答え」を言わない場合などは
永遠に不毛な『QアンドA』が繰り返されることになります。
子供も馬鹿ではないので
親側の意図を察し、意地でも違う答えを探し出そうとします。
私と私の母親がこのタイプです。
なので、今でも母親との会話は
ほとんど成立しません。
自分に、こう言ってほしいと願った「答え」に
誘導しようとする「質問」は
相手の意思を尊重せず、自分のコントロールを
強要する行為です。
これには私自身、深く傷つき
今でも人付き合いにおける
最大の「苦悩」として影響を受けています。
子育てにおいては
自分の子供であっても1個の個人として尊重し
コントロール出来る部分と出来ない部分を
はっきりさせ
しっかりと子離れ親離れをさせてあげてほしいと
切に祈ります。
そのためにも
子供の意思から出てきた「答え」を受け入れ
「わかった」と承認してあげてほしいのです。
これは、何も、子育て論を展開したいわけではなく
子育てにおけるストレスで体調を崩すお母さんからの
相談をよく受けるからです。
それも、深い愛情から
空回りして、母子ともにストレスとなっていく場合が
多いように感じるからです。
一度、この『QアンドA』を参考に
親子の会話を真剣に見直してみてはいかがでしょうか?
今月のおすすめ本
お母さんにとって、家事や子育ては
完全にマネージメントと一緒です。
英語では良き妻、良き母のことを
「良いマネージャー」と言います。
特に、何でも背負いこんでしまいがちな
お母さんは、ぜひ読んでみてください。
何でも自分でやってしまうことが
チーム(家族)にとって
決して良いことなのかどうか。
こういう視点も大切だと思います。
題名 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
『マネジメント』を読んだら
著者 岩崎 夏海
発行元 ダイヤモンド社
価格 1,600円(税別)
あとがき
子供は社会にとっても、大切な宝物です。
子育て中のお母さんには
一人で大変な思いをさせるのではなく
周囲の人達がもっと大切にして
保護してあげてほしいと、強く思います。
子供のしつけも社会の中で学ばせる環境が
もっとあるといいのでしょうが・・・
当院では、小中学生で「お返事」と「言葉使い」が
ちゃんと出来ない子にはきびしく注意します。
高校生・大学生で、それが出来ない子は
勝手に社会で恥をかけばいいと思い
あまり言いませんが
大人を甘く見ている態度の子は
施術効果もあまり良くないです。
当院の学割は大きいので
その分きびしくもします
ご理解くださいませ。
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