ストレスと体調不良の関係

ストレスと体調不良の関係

シロハ便り 第168号 2023年1月

 

ストレスと体調不良の関係

 

 新年、明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いいたします。

 

 去年に引き続き、今年もいすみ市へ、民泊の貸別荘で
みーちゃんを連れて年末年始を過ごしてきました。

 

 オーナーさんも同じ敷地内に住んでいて、お庭で焚火も出来ます。

 

バーベキューも出来たのですが、寒いのでそれは遠慮して、ただ焚火を
焚いて、炎の温かさを感じてきました。

 

 薪に火をつけるなんて、何十年ぶりかです。小学生から中学生にかけてボーイスカウトに入っていたので、それ以来でしょうか。

 

 焚火の炎をボーっと眺めて、パチパチという薪が燃える音を聞いて、
何だか無心になりました。 こういう時間も必要なんですね(^^;

 

ストレスと体調不良の関係

 

 慢性的なストレスが健康に良くないということは、様々なところで言われていますので、皆さんご存知かと思います。

 

 ただ、なんとなく分かってはいても、そのメカニズムは、ほとんど聞く機会はないのではないでしょうか?

 

 今年は、少し、身体のことを詳しく書いていきたいと思っています。 そして今回は、ストレスは脳によって、どのように身体に影響を与えているのかを、少し詳しく書いてみます。

 

 元々ストレスとは、何から生まれたかというと、身の危険から発生しています。それは、太古の昔、この地球上に生命が誕生してから、ずっとストレス情報は命と共にあり続けました。

 

 そのストレス情報がないと、身の危険を知ることが出来なかったので、命を繋いで進化してきた過程においては、とても大事なものでした。

 

 そして進化の過程で脳が発達してきて、動物になった頃、動物は臭いで身の危険を感知して自分の生存確率を上げてきました。

 

 その経緯があり、嗅覚部の一部として大脳の大脳辺縁系が発達し、ストレスである不安や恐怖などの感情を認識するようになりました。

 

 故に、大脳の中でも大脳辺縁系という部分は、脳の発達過程において、一番古くからある部分です。そして、この大脳辺縁系は動物では発達しているのですが、人間は退化した部分でもあります。

 

 人は、臭いで身の危険を感知したりはしないですよね。 でも、ビジネスとかでは、何か良い事悪い事があるのを直感で感じとれる人のことを、あいつは鼻が利くとかいいます。

 

 しかし、人は臭いではなく、発達した脳により、過去に生み出された感覚感情から、思考によってストレスを生み出しています。

 

 そして、そのストレスを感じている身の危険は、人間は知性と知識によって解決する能力を獲得してきました。

 

 だからこそ、対人関係や社会的な問題などでストレスが多い人ほど、本を読むことをおすすめします。

 

 そこには、どのように自分の生きている環境をコントロールし、自分にとって最善な環境に変えていくのかについて、人類が獲得してきた膨大な知識が詰め込まれています。

 

 それらについてのお薦めの本は、このニュースレターでも、14年間に渡ってご紹介してきました。 それらを参考に、自分にとって必要な知識や読みやすい本を探していってください。

 

 さて、ストレスについては、改善の大きな一歩が本を読むことだとして、現在かかえているストレスが、どのように身体に影響しているのかについて見てみましょう。

 

 人も退化したとはいえ、大脳辺縁系で不安や恐怖を感じることは同じです。 そして、そこでストレス情報を受け取ると、大脳のすぐ下に間脳という部分があって、その間脳の視床というところに情報がいきます。

 

 そして、視床からそのすぐ下の脳下垂体へ刺激がいき、脳下垂体からホルモンが放出され、そのホルモンが血液にのって腎臓の副腎という部分に届きます。

 

 すると、その副腎から、副腎皮質ホルモンが放出され、血液にのって内臓へ運ばれます。 

 

 この副腎皮質ホルモンって聞いたことないですか? 通称ステロイドです。

 

 ステロイドは、アトピーを抑える薬とかで聞いたことがあると思いますが、強い抗炎症作用があります。

 

 抗炎症剤は何をするのかというと、炎症を抑えるために血流を悪くする作用があります。

 

 では、なぜ、ストレスが強くかかると、その結果として内臓に強い抗炎症作用のあるステロイドがばらまかれるのか?

 

 この理由が、 “逃げるため”なんです。 もしくは“闘うため”です。

 

 どういうことかと言うと、身の危険から守るために、逃げるか闘う必要があった場合、内臓よりも手足(動物なら四肢)に、より多くの血液を集めて、逃げるにも闘うにもすばやく動けるように準備するのです。

 

 だから、そんな状況の時に、のんびりと食べた物を胃で消化していましょうとはならないんです。

 

 命の危険が迫っている場面では、平時の内臓の機能を一時的に極力弱めて、逃げるか闘うために、内臓へ向けられていた血流をステロイドで抑えて、内臓へいっていた血液を手足(四肢)に集めて強化しようとするのです。

 

 これが動物だった頃からの本能であり、その機能を引き継いでいます。

 

 人にとって、この機能も、本当に一時的なピンチの時には役に立ちそうではありますが、しかし問題は、人のストレスは社会的な環境から絶え間なく感じ続けているので、ずっとピンチのままの状態が継続してしまいます。

 

 そんな状態が、何年も何十年も続いたら、内臓がおかしくなるのは、火を見るよりも明らかです。

 

 例えば、腸の内側の細胞は、とても重労働をしていますよね。 食べた物を消化吸収するのに、とても忙しい器官です。

 

 その腸の内側の細胞は、72時間でターンオーバーし、完全に細胞が入れ替わります。 そのくらい細胞の入れ替わりが早いところなので、細胞が新しく作られ、古い細胞は酵素で分解されています。

 

 それにはしっかりと必要充分な細胞への栄養が、血液から供給されなければなりません。 でもストレスが強いと、ステロイドがばらまかれて必要な血液が届かなくなるのです。

 

 こんなふうに、全ての内臓機能がおかしくなるので、慢性ストレスは万病の元と言われています。

 

 人間社会で生きている以上、ストレスと無縁になることは難しいかもしれませんが、本を読み知識を蓄えることで、そのストレスをコントロールすることは出来るようになると思います。

 

 一生の健康を資産と考えるならば、本や知識はその土台を築く礎となるでしょう。

 

おすすめ

 

 ということで、特に思考によって細胞に与える影響が科学的に証明されていることが詳しく書かれている本をご紹介します。

 

 10年前くらいに、ここで紹介した本なのですが、僕も年末年始に読み返してみました。 ぜひ、読んでみてください。

 

ストレスと体調不良の関係