急激な気圧変化による体調不良の原因
シロハ便り第94号 2016年11月
野田市の秋の恒例行事として、市内の企業・団体による自社製品のPRと販売を中心に様々な催しをしている『野田市産業祭』というイベントが10 月にありました。
その案内冊子が野田市の各家庭に配送されてくるのですが、それを見て驚きました。
産業祭の冊子に載っているキャラクターが、うちのみーちゃんとれもんちゃんに酷似しています。ほぼセットでマルパクリです。
ここまでそっくりだと、とても偶然とは思えないですね!
うちのみーとれもんは、野田では有名なのかな?
急激な気圧変化による体調不良の原因
天気が悪くなると関節の痛みや頭痛が起きたり、体調が悪くなったりすることは、一般的に経験されている事として広く認知されています。最近では、天気予報で花粉注意報のように関節痛注意報のようなものを作って放送していたり、気象病などという名前も聞くようになりました。
では、なぜ、天気が悪くなると体調が狂い出すのでしょう? 諸説入り乱れ、これといった説明はあまりされていませんので、ここを詳しく書いてみたいと思います。
前回、低気圧より高気圧の方が危険だということを書きました。 体にかかる大気による圧力が強くなり、同時に体内からも同じ圧力で押し返しているため、血圧が上がり、体にも負担がかかるということです。
その高気圧で負荷のかかった体に、天気が悪くなった時、何が起きているのか? 正確には、天気が崩れるちょっと前に、大きな変化が起こります。高気圧から低気圧への気圧の変化です。気圧が下がりはじめてからしばらくして?雲がやってきますので、厳密に言うと、天気が悪くなるとではなく、天気が悪くなるちょっと前に体調が崩れだします。
高気圧から低気圧へ急激に気圧が変化すると、脳幹がその変化を敏感に察知し、自律神経を使って体内の圧力を調整していきます。 この時、自律神経が脳幹の指示通りに動かなければ当然体調はおかしくなります。
そして、この時に、体温や血圧の変化も大事なバロメーターなのですが、もっと重大な影響があります。それが血液中の酸素濃度の変化です。
私達は呼吸をして生きています。呼吸で必要なのは酸素です。酸素は大気中には一般的に21%含まれていると言われています。その酸素を呼吸によって肺に取り込み、その酸素が血液の赤血球にあるヘモグロビンと結合し、全身の細胞へと運ばれていきます。
細胞へは毛細血管の先から血液が運ばれ、その血液中にある酸素を使って活動するため、充分な酸素量が供給されなければ筋肉がつるなどの症状が出たり、頭痛や目まいが起きたりします。
さて、ここで、ものすごく勘違いされていることがあります。血液中の酸素濃度とは、いったいなにを言っていることなのかです。
健常者の血中酸素濃度は96%〜99%と言われていて、90%を下回ることはありません。90%以下になると急性呼吸不全となります。普通に呼吸できている人ならば、この正常な濃度から大きくズレることはないので、じゃあ、酸欠にはならないだろうと思いがちです。
しかし、この血中酸素濃度とは、正確には動脈血酸素飽和度といって、これは、動脈血中のヘモグロビンの何%が酸素と結合しているかの数値です。ヘモグロビンは酸素を運ぶ役目を担いますが、実は、この状態では細胞は酸素を使えません。
実際に細胞が使う酸素は、血液中の水分に溶けている酸素です。ヘモグロビンは酸素と結合して、血液によって全身へ酸素を運び、そしてそこで酸素分子を放して、その酸素分子が血液中の水分に溶け込み、その酸素を細胞が血液とともに取り込むのです。
どのくらいの酸素が血液の水分に溶けているのかを示す数値は、動脈血酸素分圧といいます。
つまり、水に溶ける酸素量が低下すれば、どんなにヘモグロビンが酸素を運んでこようが、細胞に入っていく酸素量は減る、つまり酸欠になるということです。
そこで、低気圧ですが、大気からの圧力が低下すれば、水の分子に気体の分子がつかまっていられなくなりますから、どんどん気体の分子が抜けていきます。低気圧では、水に溶けている酸素量(溶在酸素濃度)が低下するのです。
体内でも同じことが起こります。標高の高い山に上った時に空気が薄くなり息苦しくなると言いますが、大気中の酸素濃度は約21%で変わりありません。変化しているのは大気圧で、吸入する空気の酸素分圧が低くなり、血液中に取り込んだ酸素分圧も低くなって、細胞で酸素を取り込みにくくなります。
標準大気圧(1 気圧)は1013ヘクトパスカル。台風の時には中心気圧が980ヘクトパスカルなんて言いますよね。980ヘクトパスカルだとかなり大きな台風と言う感じです。
その1 気圧1013ヘクトパスカルは水銀計の単位で表すと760mmHgで、その時に呼吸により吸入する酸素分圧は149mmHg(計算式は省きます・・難しいので)になり、この吸入気が肺胞に達し、動脈血で取り込まれた時の酸素分圧は、若年健康者で100mmHg、老年健康者で80mmHgです。
低気圧の下では、大気圧が低いので、吸入する大気の酸素分圧は下がり、動脈血酸素分圧も当然低下しますので、細胞が取り込める酸素量は低下します。
しかし、これが生命の神秘であり神の与えた生命維持システムなのですが、動脈血酸素分圧が低下すると、その不足した分の酸素をヘモグロビンが離すことにより、動脈血酸素分圧を維持しようとします。それゆえに、低気圧の下でも、時間の経過とともに、酸欠状態も解消していきます。
以上のことから、一番危険なのが、高気圧から低気圧への変わり目であることがわかると思います。高気圧から低気圧への変わり目が、一番体の中での変化が大きく、それに対応するために、脳幹と自律神経は実に膨大な量の仕事をしていて、そこに酸欠状態が加わるので、細胞が酸欠により活動が落ち、筋肉が固まり、関節の動きを悪くし、頭痛や目まいを引き起こすなどの体調不良が生じます。
頭痛や関節痛には酸欠が特に強く影響しており、欧米諸国の判定基準でいくと、約7 割の日本人は貧血と言われているくらい鉄分(ヘモグロビン)の少ない日本人は、世界的にみて最も肩こりと頭痛の多い民族です。
だから、しっかりと赤身の肉、レバーなど鉄分の多いものを食べましょう。そして、半身浴と毛管運動をして、末端の血管の流れをよくしておき、多少酸欠になっても血液供給量をしっかりと確保できるようにしておきましょう。
その上で、頸椎調整をしっかりとやり、神経への圧迫がなくなり、脳幹からの自律神経への電気信号が邪魔されなくなれば、自律神経はちゃんと動きます。
これらの全てが上手く回ってこそ、気候に左右されることのない体になっていくと思います。それでも、天候により体の調子が変化するのは自然の摂理ですので、あまり逆らうことなく、気持ちは『晴耕?読』の心で無理をしすぎないようにがんばってみてください。
これはどう見ても・・
これはどう見ても、うちのみーちゃんとれもんちゃんでしょ・・・
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