宇宙空間は光で満ち溢れている

宇宙空間は光で満ち溢れている

宇宙空間は光で満ち溢れている

宇宙空間は光で満ち溢れている

シロハ便り 第183号 2024年4月


 今年は桜の開花が遅いですね。 12年ぶりくらいの遅咲きだそうです。


 今年は暖冬だったのか、寒かったのか、よくわからない変な陽気でした。


 とにかく気温差も気圧差も大きくて、自律神経に負担がかかり体の各部が緊張していて、様々な症状を出していたようです。


 特に眩暈や頭痛が多かった人は、首と頭の付け根付近が固まっている感じで、筋肉が硬くなっていました。


 その辺りには延髄があり、生命維持活動の中枢ともいえる位置なので、筋肉が硬くなり頸椎に締め付けられると、呼吸・心臓・血流がみんなおかしくなります。


 そんな時は無理せず、充分な休息をとり、睡眠もたっぷり取るようにしてくださいね。


宇宙空間は光で満ち溢れている

 最近YouTubeでよく見かけるようになった、カリフォルニア大学バークレー校の教授で、素粒子物理学や宇宙物理学が専門の野村泰紀教授の宇宙についてのお話が、とてもおもしろくてよく見ています。


 その中で、宇宙は暗い空間だというのは思い込みであると知りました。 今回は、ちょっとロマンのある宇宙のお話をしようと思います。


 冬の夜空は星がきれいに見えます。 この見えている星は、太陽のような恒星が光を発していて、その光が地球上に届いて見えているわけです。


そして、地球から一番近い星(太陽系の惑星以外)は、ケンタウルス座「プロキシマケンタウリ」という星で、太陽系から最も近い恒星になります。


この一番近い星でさえ、光の速さで4年ちょっとかかる距離にあります。 光の速さは1秒間に約35万qで、これは1秒間に地球を7周半回れる速さです。


では、肉眼で見える星の中で、一番遠い星はというと、1万6000光年離れた「カシオペヤ座V762」という恒星です。


1万6000光年というと、光の速さで1万6000年もかかる距離ということで、今見えているこの星の光は、1万6000年前に発せられた光ということになります。


このように星を観測するということは、宇宙の過去の歴史を見ているのと同じことになります。 


では、現在どのくらい昔の宇宙まで観測できるのかというと、宇宙誕生から38万年後の宇宙まで観測できています。
この宇宙は、誕生してから138億年経っていると言われています。 つまり現在宇宙の年齢は138億歳ということです。 


これを人間に例えてみると、今現在の宇宙の年齢を人の40歳だとすると、生後10時間くらいの時まで観測できているということになります。


そして、その頃の宇宙は、物質を構成する最小の粒子である素粒子というものが、超高密度・超高温で空間を占めており、そこから発せられた光は、今も地球に降り注いでいます。


ただ、光は波のような波長があり、目に見える周波数帯が決まっています。 その周波数帯域にある光を可視光線といい、それよりも波長がゆるくなると赤外線となり、さらに波長がゆるくなるとマイクロ波という電波になります。


宇宙空間でも、光は、とんでもなく遠いところから光の速度でやってくる間に、ドップラー効果により波長がゆるく(長く)なっていきます。


ドップラー効果とは、例えば救急車のサイレンが、近づくにしたがい音の間隔が縮まって聞こえ、遠くなっていくにしたがい音が間延びして聞こえるように、遠くにいくほどに波長が伸びていくことをいいます。


138億光年ー38万光年=137億62万光年ですから、そんなに遠くからくる光は、最初は可視光線の周波数帯域であっても間延びしてしまい、電波の周波数で地球上に届いているわけです。


これを観測しようと登場したのが、電波望遠鏡です。 これならば、電波の周波数になった光も観測できるので、宇宙の中心に限りなく近くまで観測していけます。


そして、宇宙誕生から38万年後の素粒子が超高密度・超高温で空間を占めている時期を「宇宙の晴れ上がり」といい、「宇宙背景放射」といいます。


この宇宙背景放射の光が電波となって、四方八方から地球に届いており、電波望遠鏡で見ると宇宙はピッカピカに光り輝いているのです。


ですので、宇宙は暗黒ではなく、光に満ち溢れているという、ちょっとロマンティックなお話でした(^^;


おすすめ

 最新の物理学では、宇宙の起源や成り立ちについて、かなりのことが分かってきていて、とくにここ20〜30年での量子力学をもとにした宇宙論の発展はすさまじいものがあります。


 けっこう難しいですが、ちょっとずつ勉強していくのを楽しんでいて、このような本を読んで楽しんでいます。



あとがき

 光って電磁波なの知っていましたか? よく皆さんが電化製品を使っていて、電磁波の影響で体がだるくなるとか言っているのを聞きますが、それは正確に言うと電磁気の影響ということになります。


 光は光子という素粒子が、秒速35万qのスピードで進んでいるものですが、光が進む時に、電気と磁気を発生させ、その電場と地場の影響で波のようになって進んでいます。


 なので、電気と磁気が波を作って進んでいるから「電磁波」といい、光は電磁波なのです。


 そして、その波の山と谷が1秒間にいくつあるかが周波数です。 目に見える範囲の周波数が可視光線となり、それより波長が長い(周波数が少ない)と赤外線、もっと長くなると電波、可視光線より波長が短くなる(周波数が多い)と紫外線、もっと短くなるとエックス線、もっと短くなるとガンマ線となり、これら全てが光と言えるのです。


 電磁気は、家電に電気を流した時に発生する磁力の場(磁場)のことで、自然界に存在しない磁力を浴びていると健康上どうなの?ってことです。 スマホの電波は無害でも磁力はどうよ?って話ですね(^^;